穿刺時の緊張をほぐす私のルーティーン

採血や点滴の準備をして、針を穿刺する瞬間は、私にとっては、いくら経験を積んでも緊張が走る作業です。特に、血管が細くて見えにくい患者さんや、「いつも一回で入らないんだよね」と苦笑いする方を目の前にすると、プレッシャーで脇に冷や汗が流れます。

私が特に怖いのが、自分自身の焦りと手の震えです。緊張して身体がガチガチになっていると、針先をコントロールする指先の感覚が鈍くなり、普段なら成功するはずの血管も見失ってしまいます。そこで私は、プレッシャーに打ち勝つために、処置室に入る前から実際に針を刺すまでの行動をすべてパターン化する、落ち着きのルーティーンを作ることにしました。

まず、患者さんのベッドサイドに向かう前に、廊下で立ち止まって大きく深呼吸を3回行います。お腹に溜まった冷たい空気をすべて吐き出し、新鮮な酸素を取り入れることで、高ぶった自律神経を強制的に落ち着かせるのです。そして、いざ処置に入るときは、自分にとっても患者さんにとっても最も無理のないポジショニングを徹底的に整えます。お互いの姿勢が少しでも不安定だと手元が狂うため、ベッドの高さや椅子の位置、腕の角度に10秒以上の時間をかけて納得のいく環境を作ります。

最後は、針を持った指先に集中しながら、心の中でアファメーションを唱えます。「私は必要な手順を全て知っている。この血管なら、私の技術で大丈夫」と、心の中で言い聞かせるのです。心で言葉にして自分を包み込むことで、不思議と指先の震えがピタッと止まります。もし、穿刺が苦手な方がいらっしゃったら、ぜひこうした自分ならではのルーティーンを取り入れてみてはいかがでしょうか。